いっそ、好きだと叫んだほうが楽かもしれない。 君と僕が繋がる言葉 「・・・あの、村田くん?」 「何ですか、さん」 「今の状況は、何ですか?」 「何って、見たらわかるでしょう?」 今日は村田くんの家にきていて、勉強を教えてもらっていた。本当頭がいいなぁと思うけど、顔を見ればヘタレだと思っていた。 あたしは天才くんの村田くんとは同じ学校ではなく、渋谷有利という人物と同じ学校だ。人物、といっちゃいけないかも。 なんていうか、まぁ有利とは仲いいわけで、村田くんとも仲いいわけで。 どっちかというと、村田くんは頼っちゃうタイプで、有利はからかうタイプかなぁ・・・。からかったら本当に面白かったんだけどね、有利は。 しかも、聞いちゃった話では、小さいころ女装させられていた話だしぃ。あのお母さんならやると思ったわ!(会ったことないけど) なんていうか、写真で見たけどあのお母さんは可憐という言葉が似合ってる気がした。 ・・・いや、今は有利の話をしている場合じゃない。今の状況というと、勉強してていい本があったと思って、 それを思いっきってひっこぬいたら、本が落ちてきたわけ。それで、なんかよくわからないけど村田くんが助けてくれて。 まぁ不可抗力なんだけど、村田くんがあたしを押し倒している格好になってるわけなのです。 「何でも、いいけど早くどいて」 「・・・うーん、それはちょっと無理かな」 「無理かな、じゃなくてっ!村田くんも早く勉強したいでしょう?」 「えー、僕終わったんだよね」 「あれ、あたしだけが終わってないと!」 「そうそう」 うんうん、と頷く村田くんをバシッと叩きたくなったのは内緒にしておこう。 遠まわしで、おせぇよとか思われてそう。まぁそれは本当のことなんだけど。村田くんみたく頭よくないんだよ、あたしは。 だから、しょうがないじゃないか。 「・・・つまり、僕はつまんないんだよねぇ」 「あ、そうなんですか。あたしはつまらなくないので、早くどいてください。つーかどけ」 「一応僕、に勉強教えてるんだけど」 「あっ、忘れてたぁ。村田くんー、どいてぇ」 「・・・かわいこぶっても意味ないよ」 「ちっ」 ちっってなんだよ、といわれた。これもきかないとは手ごわい相手だ。 つーか村田くんの好みの女の子はどんなだろう。その前に、あたしが一緒に勉強してていいのだろうか。 彼女がいたら悪いよなぁ・・・。うん。でも相変らずニッコリ笑っていて、どく気配がない。 こんなところ、彼女に見られたら、かなり誤解されるからね。女の恨みって怖いもんだよ。 ・・・だから、絶対いやだね。 「・・・ともかく、村田くんは何でどかないの」 「えーそれは、で遊びたいから」 「は!?と、じゃなくて、で、なのか!」 「そうそう、は遊ぶと面白いんだよ」 「・・・褒め言葉として聞いておきます」 「褒め言葉なんだけどなぁ、一応」 「ともかく、早くどいてください。どかないと勉強できない」 「せっかちだなぁ、は。いいじゃないか、これくらい」 「これくらい、じゃない。これはとっても大切なことさ!あたしは村田くんとも付き合ってない。 だから、村田くんにとってもあたしにとっても、いけないこと!」 「僕は、別にいいんだけど。そういう関係になっても、と」 ・・・いまの言葉聞きました?みなさん、聞きました?(誰にいってんだ) あ、それは、誰でもいいということでいいんでしょうか。あたしは、そこまで軽くないわ! そんな尻軽女と一緒にされちゃ、いやに決まっている。ちょっと、村田くんのことが信じれなくなったわ! 「あたしは、そんなそこらへんにいる尻軽女じゃありませーん。だから、他のとこにあたってください」 「・・・うーん、やっぱりはちゃんといわないと意味ないみたいだねぇ」 「は?」 「だから、のことが好きだってことだよ」 「・・・え、何いっちゃってるの」 「少し、男の子の行動ちゃんと見極めたら?って結構もてるって渋谷に聞いてるよ」 「・・・・・・それは、何。あたしのことが好きだってこと?」 「じゃなかったら、自分の部屋に招待しないけど。それに、ホイホイ男の部屋に入るもんじゃないよ」 ・・・それはつまり、襲うためにここにつれてきたと? そう解釈するしかないじゃない!・・・つーか、あたしはこの人に弄ばれていたのか・・・。 「・・・で、は?」 「え、何が」 「僕のこと好きってことだよ」 「・・・え、村田くんは別に今回以外のことだったらいい人だし、頭いいし、結構顔もいいし、そこら辺にいる人よりはいいと思うけど」 「ふぅん、じゃあ少しは好きってことなんだ」 「な、ななな何でそうなんの!」 「だって、少しは好きってことじゃない?」 「何で、そんな風になるのよ!」 「うーん、だって、って顔にでるし。顔真っ赤だから、少しはそうかと」 「・・・」 完璧に弄ばれてるわ、あたし。でも、そんなのも悪くないかもしれない。 だって、あたし村田くんといるときは特別楽しいから。 ・・・でも、この気持ちはまだいってあげない。 END... 05.9.3 |